2024年5月5日 主日礼拝説教

《 神は語る 》

創世記 1:1~5

ヘブライ人への手紙 1:1~4

初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ。」こうして光があった。神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり朝があった。第一の日である。                                                                 (創世記1:1-5)

神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また御子によって世界を創造されました。御子は、神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高いところにおられる大いなる方の右にお着きになりました。御子は、天使たちより優れたものとなられました。天使たちの名により優れた名を受け継がれたからです。                                                     (ヘブライ1:1-4)

 神さまは、語ります。時の初めから、言葉を発してこられました。神は、混沌とした静けさの中で、語りかけます。神さまは積極的に世界の創造に関わり、陽を上らせ、地の基を揺り動かし、季節を定め、あらゆる生き物を生み出しされました。神さまは語り、神は世界を創造されました。

 神さまは、世界の初めから、語り、ご自身がどのような存在であるのかを明らかにしてきました。

 啓示によって、私たちは神を知りますが、それは、聖なるものを人間が識別する以上のものです。啓示は、神の行為、聖なる呼びかけであり、すべての被造物を捜し求め、救い回復するように神さまがなさることです。神さまは、啓示によって、わたしたちをある気づき、すなわち、天は私たちが自らの力では知り得ない一つの言葉を伝えているということ、神は、被造物において働いておられるということ、被造世界、全宇宙も、人間の歴史も、神の栄光に物語っているとことへと導きます。

 神は、「かつて」「終わりの時代の前」には、私たちの先祖、神の民に向かって語りかけてこられました。神の民は、神によって呼びかけられ、聖なる対話の相手となり、聞く耳を与えられ、その言葉によって動されてきました。

神は、神の民に、あちらこちらで語り、あの時この時語ってきました。ある時には、長い間、沈黙し、稀にしか、語らないこともありました。夢や幻で鮮明に語ることもあれば、燃える柴から呼びかけること、火の柱から語ることもありました。律法の戒めにおいて語ることもあれば、静かに囁く声で語ることもあり、王たちの物語を通して語ることもありました。預言者を通して、その言葉と働きによって、神は自己開示されました。

 神さまは、多くのかたち、しかたで、語ることがおできになります。祈りの静寂の中でも、議論の喧騒の中でも語ることができるし、聖霊が力強い働くことにおいても、退屈な会合でも語ることができます。美しい自然や芸術においても語ることができるし、あらゆる人々の叫びを通しても語ることができます。

 あらゆる時に、あらゆる方法を用いて語ることができるお方は、この終わりの時代に、御子イエス・キリストを通して、ご自分を明らかにしてくださいました。ですから、わたしたちは、あらゆる場面で、この御子を仰ぎ見、この方の言葉をききます。

  《祈り》 

天地万物をお造りになった父なる神さま、聖なる御名を賛美します。あなたは、世界の初めから、語ってこられました。わたしたちの生活のあらゆる場面において、あなたは語ることがおできになります。神の本質を完全に現してくださった御子イエス・キリストを仰ぎ見つつ、あなたのお語りになることを聞かせてください。主の御名によって祈ります。アーメン。

(2024年5月5日  聖餐式  橋本いずみ)