《 主イエスの弟子③見つけられたフィリポ 》
ヨハネによる福音書 1:43~51
その翌日、イエスは、ガリラヤへ行こうとしたときに、フィリポに出会って、「わたしに従いなさい」と言われた。フィリポは、アンデレとペトロの街、ベトサイダの出身であった。フィリポはナタナエルに出会って言った。「わたしたちは、モーセが律法に記し、預言者たちも書いている方に出会った。それは、ナザレの人で、ヨセフの子イエスだ。」
(ヨハネによる福音書 1:43〜45)
それぞれ特別な仕方で弟子になった
主イエスの弟子たちは、それぞれ特別な仕方で主イエスに近づく道を見出しました。最初の二人(無名の弟子、アンデレ)は、洗礼者ヨハネの言葉によって、イエスさまの後に従って行きました。シモン・ペトロは、アンデレが連れて行きました。フィリポは、主イエスが「わたしに従いになさい」と求められて従いました。ナタナエルは、疑いながら主イエスに近づいて行きます。
フィリポは、誰かに連れて来てもらったのではありません。ただ、主イエスに見出されて、「わたしに従いなさい」と求められて、従うものになりました。
主の弟子フィリポ
フィリポは、ペトロとアンデレ、ヤコブとヨハネに続いて、12人の弟子のリスト(マタイ10.1、マルコ3.18、ルカ6.14、使徒1.13)では、いつでも5番目に登場します。フィリポは、ペトロとアンデレと同じベトサイダ(「漁師の家」という村)の出身でした。
他の福音書には、フィリポがどのようにして、主イエスの弟子になったかということは、書かれていませんし、彼がどのような人であったかということについても記されていません。ヨハネによる福音書には、いくつかイエスさまとフィリポの対話があります。(ヨハネ6章、12章、14章)。
フィリポは、誰かから紹介されたわけでなく(人間的な関係や繋がりを持たずして)、ただ主イエスが出会ってくださって、「わたしに従いなさい」と命じられて、主の弟子になりました。
見つけられた者
35節から51節までの間に「出会った」(見つけた)という言葉が5回あります。41節「まず自分の兄弟シモンに会って(見つけて)」「わたしたちはメシアに出会った(見つけた)」43節「フィリポに出会って(見つけて)」45節「フィリポはナタナエルに出会って(見つけて)」「わたしたちは、モーセが律法に記し、預言者たちも書いている方に出会った(見つけた)」。
主イエスに見つけられ、主イエスに出会ったものたちは、他者を見つけ、主イエスとの出会いを「わたしたちは出会った」と証言します。
主イエスを証言する者たちは、一人ではありません。主イエスとの出会いを証言する者たちは、皆、主に見つけてもらった人たちです。
《祈り》
天の父なる神さま。主イエスが目的地に向かって歩いて行く中で、私たちに出会い「わたしに従いなさい」と招いてくださいました。一緒にイエスさまに従うことできることを感謝します。イエスさまを証言しつつ、天の国に至るまで、主イエスの道をまっすぐに歩ませてください。主の御名によって祈ります。アーメン。
(2020年8月2日 橋本いずみ)