2020年8月30日主日礼拝説教

《 人間の心の中にあるもの 》

ヨハネによる福音書   2:13~25

イエスは過越祭の間エルサレムにおられたが、そのなさったしるしを見て、多くの人がイエスの名を信じた。しかし、イエスご自身は彼らを信用されなかった。それは、すべての人のことを知っておられ、人間について誰からも証ししてもらう必要がなかったからである。イエスは、何が人間の心の中にあるかをよく知っておられたのである。

(ヨハネによる福音書 2:23〜25)

 

しるしを見て信じた

過越祭の間、主イエスはエルサレムにおられ、多くのしるしをなさいました。そのしるしを見て、多くの人が主イエスの名を信じるようになりました。しかし、主イエスを信じるようになった人がみな、主イエスの後に従ったわけではありませんでした。

信じること、信用すること

 主イエスを信じた人たちを主イエスは信用していません。その理由は、すべての人を知っておられたからです。主イエスを取り巻く人たちを主イエスは知っておられました。主イエスは、言を認めようとしない世にやってこられた神の御子です。

すべてを知っておられる

主イエスは、すべての人の心を知っておられました。ペトロは、イエスさまが十字架にかかられる前に「わたしの行くところに、あなたは今ついて来ることはできないが、後でついて来ることになる」と言われた時、「あなたのためなら命を捨てます」と言ってイエスさまの後について行こうとします。ペトロは、自分にはできると思っていたし、そのことを願っていました。しかし、イエスさまは、ペトロのすべてを知っておられて「鶏が鳴くまでに、あなたは三度私のことを知らないと言うだろう」とおっしゃいます。(ヨハネ13:36-38)そして、イエスさまがおっしゃられたとおりに、ペトロは

イエスさまの十字架までついて行くことができませんでしたが、復活の主が現れてくださって、「わたしに従いなさい」(ヨハネ21.19)と招かれ、主イエスについて行くことになります。

「人に任せて」ではなく、神に従って

主イエスは、わたしたち以上にわたしたちのことを知っていてくださいます。主イエス・キリストは、神が愛してやまない世の救いのために、この世においでくださった神の御子です。神の御子イエス・キリストは、人の裏切りや陰謀によって、人に任せて十字架に架けられたのではなく、救いのために自ら進んで十字架にかかられました。闇の支配に身を委ねるのではなく、闇に光をもたらすために、この世の救い(イエスさまの名を信じて、永遠の命をうける)ために、神に身をゆだねられました。

主イエスは、闇の世に身を委ねて、十字架にかかられたのではなく、十字架にかかられて闇の世に光をもたらしてくださいました。

 

《祈り》 

十字架の主イエス・キリストの父なる神さま。主イエス・キリストが、わたしたちも知らないわたしたちの姿を知っており、わたしたちの心を知っておられます。主イエスが救いを成し遂げる御心を示すために、この地上で歩んでくださいました。をわたしたちの思いではなく、神さまの御心がなりますように。主の御名によってお祈りします。アーメン。

(2020年8月30日 橋本いずみ)