2022年11月20日 主日礼拝説教

 《 愛する者は、言葉を守る

ヨハネによる福音書14:15~24

  わたしの掟を受け入れ、それを守る人は、わたしを愛する者である。わたしを愛する人は、わたしの父に愛される。わたしもその人を愛して、その人にわたし自身を現す」イスカリオテでない方のユダが、「主よ、わたしたちにはご自分を現そうとなさるのに、世にはそうなさらないのは、なぜですか」と言った。イエスはこう答えて言われた。「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父は、その人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。      (ヨハネによる福音書 14:21~24)

愛していることは、どうやって分かるでしょうか? イエスさまは、「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る」「わたしを愛さない者はわたしの言葉を守らない」とおっしゃいました。相手がイエスさまであれ、人であれ、愛するということは、その人の言葉を守ることです。

言葉を守るためには、まず、何を言っているかを注意深く聞き、その言葉を受け入れなければ、それを守ることはできません。何を言っていたか、その言葉を思い出せないようであれば、それを守ることは、どうやってもできません。

弟子たちは、イエスさまの言葉を聞きました。それは、イエスさまも父なる神さまから、聞いたことでした。神が語り、イエスさまが聞いた言葉を、そして、イエスさまが語り、弟子たちが聞いた言葉を、守ることができるようにと、イエスさまは、父なる神さまに願って、別の弁護者を遣わしてくださるというのです。

別の弁護者を送ってくださる。別の弁護者は、イエス・キリストとは別の同種、同様、同類のものである助け主で、真理の霊と呼ばれています。イエス・キリストが真理であったように(ヨハネ8:32、14:6)、別の弁護者も真理の霊です。

しかし、御子イエス・キリストと別の弁護者である真理の霊との違いがあります。この真理の霊は、弟子たちによってしか、受け入れられないものであり、世には、見られても知られていないということです。御子イエス・キリストを受け入れたものたちに、天に挙げられた御子イエス・キリストが父に願って、与えてくださるのが、真理の霊です。

イエスさまは、「あなたがたに、新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」と言われました。

もし、イエスさまが、真理の霊を与えてくださらなければ、明るいものを暗いと言ったり、偽りを真実だと言ったり、真理を夢想だと言ったりする闇の世で、愛し合うということなど、不可能なことです。しかし、それでも、わたしたちは、愛し合おうとします。それは、真理の霊が与えられているからです。真理の霊は、闇の中の光を、偽りの中に真実を、夢想の中に幻を見出す力を与えてくださるからです。イエスさまは、その言葉と真理の霊を残してくださいました。主の言葉と真理の霊が、わたしたちをもって主の業をなさせてくださいます。

《祈り》 

天の父よ、御子イエス・キリストが今日も私たちのために執り成し、私たちに真理の霊が与えられていることを感謝します。父なる神さまを愛し、主イエスを愛するように、その言葉を守ることができるように助けてください。主よ、どうかわたしたちのところに来てください。主の言葉を守ります。御子イエス・キリストの御名によってお祈りします。アーメン。            (2022年11月20日 橋本いずみ)