2023年10月22日 主日礼拝説教

《 弱さと強さ 

コリントの信徒への手紙二12:7~10

また、あの啓示されたことがあまりにもすばらしいからです。それで、そのために思い上がることがないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。それは、思い上がらないように、わたしを痛めつけるために、サタンから送られた使いです。この使いについて、離れ去らせてくださるように、わたしは三度主に願いました。すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。(Ⅱコリント12:7〜10)

「パウロの伝道旅行―イエスさまについて行こう!」とのテーマを掲げて行った教会学校のキャンプから大体1ヶ月が過ぎました。パウロは、イエスさまを宣べ伝えました。パウロが伝道者になったことも、地の果てまで福音を伝えていったことも、神のご計画によることで、パウロの歩みは、聖霊によって導かれる旅でした。

パウロは、その旅の中で、自分刺さっているとげを取り除いてほしいって神さまに願いました。とげは病気や怪我だったかもしれないし、自分の見た目のことかもしれません。心に抱えていた重荷かもしれません。一刻も早く、なんとかしてほしいと思うことでした。「〜がなければ、もっと〜できるのに。」「〜さえあれば、もっと〜なのに」と考えていたもので、自分ではどうしても変えられない、理不尽で、不都合なものでした。

自分に突き刺さっているトゲは、サタンが送った使いであることを知っていました。苦しみと痛みの出どころはサタンから来ているということを知って、その上で、パウロは、それを再三、神さまにとってくださいと、願いました。

パウロの願いに対する主の答えは「わたしの恵みは、あなたに十分である。力は弱さの中でこそ、十分に発揮されるのだ」ということでした。神さまはパウロの願い通りにはしてくれませんでした。トゲが刺さったまま生きなさいというのが、神さまの答えだったというのです。

トゲが刺さったまま生きていく中で、キリストの力が発揮されてきました。パウロが伝えたイエス・キリストは、トゲが刺さったままのパウロが伝えたからこそ、力ある方であることが人々に伝わっていきました。そして、パウロは、「思い上がることがないように」(7節)とありますから、もしこのトゲがなかったら、「俺ってすごい!」と自分は思い上がって勘違いをしていただろうとを認めています。

パウロは、トゲゆえに、何度も、何度も主に祈りました。トゲゆえに、イエスさまの痛みを知りました。一緒に痛みを負ってくださるイエスさまを知りました。そして、思い上がって自分の力で生きるのではなく、キリストの力が自分のうちに働いていることを知りました。わたしたちの弱さの中で、主が力を発揮してくださいます。

《祈り》

天の父なる神さま。弱さと痛みをとりさってください。何度も願ってきましたが、まだ取り去られない痛みと弱さがあります。どうかわたしたちの痛みと弱さの中で、イエスさまの力をあらわしてください。イエスさまがわたしたちのうちで豊かに働いてくださいますように。イエスさまの力を褒め称えることができるようにしてください。主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

(2023年10月22日子どもと大人の合同礼拝 橋本いずみ)