《 キリストを礼拝すること 》
マタイによる福音書 2:7~12
そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と行ってベツレヘムに送り出した。彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。ところが、「ヘロデのところに帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。
(マタイ2:7-12)
クリスマスおめでとうございます。私たちも、今日、占星術の学者たちと同じように、主イエス・キリストへの礼拝へと招かれました。占星術の学者たちが礼拝した主イエス・キリストは、幼子でした。彼らは、幼い子どもであったイエス・キリストの前に、ひれ伏し礼拝をささげました。クリスマスは、幼子キリストを礼拝する日です。クリスマスに礼拝されるキリストは、子どもです。一人前とは見做されず、助けを必要とし、ときに排除される、しかし、大きな力を秘めている存在。まだ、明らかにされていないものを内に秘めています。
占星術の学者たちは、ひれ伏して礼拝しました。宝の箱を開けて、そこに納めているものを贈り物としてキリストに手渡しました。彼らが、幼子キリストの前で開けた宝箱には、黄金と乳香と没薬が入っていました。それらは、彼らが大事に保管してきたものでした。これらの贈り物は、かなり高価なものです。普通の人が手に入れようと思っても、なかなか手に入れることができないもの。どれも、王へ贈り物に相応しいものです。彼らが、その人生で、蓄えてきたものです。非常に高価で、尊いもの、何にも変え難い、彼らにとって価値がある人生の宝です。それを、これまでは箱
の中に、大事に保管していたのですが、幼子キリストの前で、彼らはその箱を開け、キリストに手渡したのです。宝の箱に納められていたものが、キリストへの贈り物になりました。
占星術の学者たちにとって、宝の箱に入っていたものは、神さまが、与えてくださった人生の賜物です。そして、それは、非常に高価なものです。
閉ざされていた宝の箱が、開かれ、幼子キリストにささげられ、そして、幼子が、世界の王となられるそのために、彼らがささげたものが用いられます。
私たちそれぞれにも人生の宝があります。この与えられた命、この人生でしか得られなかった宝があります。キラキラ光る美しいもの、良い香りを放つものだけでなく、きつい臭いを放つ、苦いものもあるかもしれませんが、大切な宝です。
わたしたちも、世界の王となられるキリストの前にひざまずき、宝の箱を開けて、それを主の手に渡します。
【祈り】
天の父なる神さま。わたしたちも、博士たちと同じように、今日、まことの王にして、世界の救い主イエス・キリストを礼拝するためにここに集いました。あなたが命与え、あなたが与えてくださったたくさんのものによって、今日のわたしたちは形作られています。主よ、すべてはあなたが与えてくださったものです。私たちが大切にしているものを、キリストにお渡しいたします。主の栄光のために用いてください。主の御名によって祈ります。アーメン。
(2024年12月22日クリスマス礼拝 橋本いずみ)