2024年5月19日 主日礼拝説教

《約束された聖霊を注いでくださった》

ダビデの詩。賛歌。わが主に賜った主の御言葉。「わたしの右の座に就くがよい。わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう」                           (詩編110:1)

すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめいイエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、つまりわたしたちの神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです。」ペトロは、このほかにもいろいろ話をして、力強く証しをし、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めていた。ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。                                         (使徒言行録2:38-42)

今日は、ペンテコステです。最初のペンテコステのように、今日、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、教会に仲間が加えられました。

最初の聖霊降臨の日、主の霊に満たされてペトロは、イエス・キリストの苦難と死、復活と昇天をイスラエルの人々に語りました。ペトロをはじめ弟子たちは、聖霊降臨によって、キリストの復活と昇天の証人となりました。主の昇天については、ダビデによって預言されていた通りでした(詩編110.1)。十字架の主イエス・キリストは、よみがえり、弟子たちと40日の間共に過ごした後、神の右の座に就くために、天に昇られました。天に上げられたお方が、聖霊を注いでくださって、弟子たちは、主イエス・キリストを大胆に語るようになりました。ペトロの説教に心を打たれた人たちに、悔い改め、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただくようにと勧めています。そして、洗礼を受けるものたちに、聖霊が賜物として与えられると約束されています。聖霊は、天に挙げられたイエスさまからのプレゼントです。キリスト者たちは、皆、洗礼を受けた時に、イエスさまからプレゼントしてもらうのです。洗礼は、聖霊降臨以前は、悔い改めのしるしでしたが、以降は、罪の赦し、聖霊の授与、キリストの教会の一員となるしるしとなりました。

ペトロは、「邪悪なこの時代から救われなさい」と、悪魔によってまげられている時代から、救われよと勧めました。ペトロも弟子たちも、悪魔に曲げられた時代に入り込んでいて、悪霊につかれている子どもをどうすることもできなかったですが、イエスさまはその子どもを救い出されました(ルカ9:37-41)。「救われよ」これは、「神に働きかけてもらいなさい」という呼びかけであり、「神はあなたたちに働きかける」という約束です。主イエス・キリストが開いてくださった救いの道への招きです。

洗礼は、受けるものです。キリストの名による洗礼ですから、キリストに洗ってもらい、救ってもらうものです。

最初のペンテコステに、聖霊の賜物を与えられた弟子たちが語った言葉を受け入れて、信じたものは、すぐに洗礼を受けました。イエスさまを信じるならば、ためらう必要はありません。イエスさまが救ってくださいます。イエスさまが、洗ってくださいます。

《祈り》 

主の主イエス・キリストの父なる神さま。主が、世界の王でいてくださり、わたしたちの王でいてくださることを感謝します。今日、私たちは、王なる主イエスさまから聖霊をいただきました。主の霊が、わたしたちのうちに宿ってくださって、主の霊の導きのもと主に喜ばれることをなさせてください。今日、イエスさまこそが、主であり、救い主であると、心で信じ、口で言い表した兄弟の上に、主の霊を与えてくださり、後に続き、主イエス・キリストを信じるものを与えてください。主の御名によって祈ります。アーメン。 

(2024年5月19日 ペンテコステ・洗礼式  橋本いずみ)