2023年3月12日 主日礼拝説教

《 イエスの祈りに声を合わせて祈る 

ヨハネによる福音書 17:1〜26

イエスはこれらのことを話してから、天を仰いで言われた。「父よ、時が来ました。あなたの子があなたの栄光を現すようになるために、子に栄光を与えてください。…父よ、今、御前でわたしに栄光を与えてください。世界が造られる前に、わたしがみもとで持っていたあの栄光を。…聖なる父よ、わたしに与えてくださった御名によって彼らを守ってください。わたしたちのように彼らも一つとなるためです。…父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。…父よ、わたしに与えてくださった人々を、わたしのいるところに共におらせてください。それは、天地創造の前からわたしを愛して与えてくださったわたしの栄光を、彼らに見せるためです。正しい父よ、世はあなたを知りませんが、わたしはあなたを知っており、この人々はあなたがわたしを遣わされたことを知っています。…」

(ヨハネ17:1,5,11c,21,24-25)

今日は、創立76周年記念礼拝として、主日礼拝をささげています。西宮一麦教会は、賀川豊彦先生が開催されていた農民福音学校の会場となったところに一麦保育園とともに建っています。賀川先生の著書小説「一粒の麦」の印税で土地を購入し、農民福音学校やイエスの友福音学校の会場となる「一麦寮」と保育園の前身となる「ヤエシバ館」が建設されました。農民福音学校は、日本農村の宗教的改造及び建設を目的とし、一ヶ月にわたって開講されました。

小説「一粒の麦」の広告には、「見よ、悩める日本の行手に炬火を投ぐる大名作!…窮乏のドン底から復活して、今日の繁栄を来したデンマークを見よ。…一粒の麦となって同胞に殉ずる覚悟が斯くさせたのだ。」と書いてありました。御子イエス・キリストに倣って、一粒の麦となって命を捨てるものたちが、多くの実を結んできました。今日与えられた聖書の御言葉

には、イエス・キリストの祈りが記されています。ここで主とともに祈っている主イエスの友となった弟子たちは、主に倣って「一粒の麦」になっていきました。このイエス・キリストの祈りが、弟子たちを「一粒の麦」へと変えて行ったのです。「一粒の麦」となる弟子たちのために、「父よ」と繰り返し呼びかけて祈ります。イエス・キリストが十字架に挙げられ、死んで復活し、天に挙げられた後には、主と共にあって、主に祈ってもらった人たちを通して、父なる神と遣わされたイエス・キリストを知り、永遠の命に生きるものたちが起こされました。十字架に挙げられる主イエスの祈りが、弟子たちを変え、世界を変えていきました。世は、神に敵対している世ですが、神はこの世を愛し、この世からわたしたちを選び分かち、主イエスの祈りに連なるものとされました。わたしたちも、イエスさまの祈りに声を合わせて、「栄光を現してください。守ってください。一つにしてください。共におらせてください」と祈ります。

《祈り》 

父なる神さま。天地創造の前から、あなたはわたしたちを愛し、イエス・キリストによって神の子にしようと定められました。あなたの救いの計画の中で、今、わたしたちが、十字架で命をささげくださったキリストの愛に与り、互いに愛し合い一つになるようにと、主に招かれていることを感謝します。主よ、あなたの愛を現す器としてこの群れを祝福してください。悩める日本の、世界の灯火としてわたしたちを遣わしてください。主の御名によって祈ります。アーメン。(2023/3/12 創立記念礼拝 橋本いずみ)