《 キリストに栄光 》
ヘブライ人への手紙 13:18~24
わたしたちのために祈ってください。わたしたちは、明らかな良心を持っていると確信しており、すべてのことにおいて、立派にふるまいたいと思っています。…永遠の契約の血による羊の大牧者、わたしたちの主イエスを、死者の中から引き上げられた平和の神が、御心に適うことをイエス・キリストによってわたしたちにしてくださり、御心を行うために、すべての良いものをあなたがたに備えてくださるように。栄光が世々限りなくキリストにありますように、アーメン。…あなたがたのすべての指導者たち、またすべての聖なる者たちによろしく。イタリア出身の人たちが、あなたがたによろしくと言っています。恵みがあなたがた一同と共にあるように。(ヘブライ13:18-24)
ヘブライ人への手紙の最後の部分になりました。この手紙は、祈りの要請、祝祷、挨拶の言葉で閉じられます。
わたしたちのために祈ってほしいとの願い。手紙の最後に、兄弟テモテ(23節)、イタリアの出身の人たち(24節)が出てきていますが、この手紙を書き手が誰であったかについては、書かれていません。終わりの時代に生き、御子によって語られた者であり(1:2)、兄弟であるあなたがたのところに早く帰ることを願ってやまない「わたし」がいる「わたしたち」のために祈ってほしいと願い出ています。
そして、「わたしたちは」明らかな良心をもっていると確信している。明らかな良心は、悔い改め後の心、罪の自覚、終末論的な自己理解への変化から生じる意識。明らかな良心は、恐れや不安に支配されるのではなく、わたしたちを喜びや励ましへと向かわせ、適切に振る舞いたいとの思いを抱かせる。そして、このために、あなたがた兄弟姉妹の絶えざる祈りが必要とすることです。
そして、最後に、この手紙を受け取った者たちを、大牧者である主イエス・キリストに託します。確かに、手紙著者は、受け取り手である共同体の牧者として仕えた人であったと思います。手紙の最後においては、偉大な大牧者に目を向けさせます。偉大な羊飼いである御子イエス・キリストは、わたしたちの先頭に立って、父なる神のもとへと導いてくださいます。
キリストを死者の中から引き上げてくださった神が、一人ひとりの人生で働いてくださいます。大牧者であるイエス・キリストが、わたしたちの人生にどんなどん底があろうとも、死の陰をも、切り抜けていけるようにしてくださいます。
神の御前で、神の御心を行うように、一つ一つの良いものをもって、整えてくださるように。こうして、御心に適うことを、わたしたちのうちに行い続けてくださるように。
このイエス・キリストに、栄光が永遠から永遠までありますように。神さまは、イエス・キリストによってわたしたちのうちに豊かに働き続けてくださり、わたしたちに御心を行わせ、栄光を受けられる。わたしたちの行いと無関係に栄光をお受けになるのではなくて、わたしたちに御心を行わせることによって、キリストの栄光を輝かせられます。
《祈り》 永遠の羊の大牧者である主イエス・キリストの父なる神さま。わたしたちの羊飼いは、主イエス・キリストです。御子イエス・キリストが天の国へとわたしたちを導いてくださいます。イエスさまに導かれる群れとして、御心を行い、適切に振る舞いと思っています。主よ、どうか、あなたがわたしたち一人一人の人生に、深く関わり、豊かに働き続けてください。そして、そのことによって、キリストが栄光をお受けになりますように。主の御名によって祈ります。アーメン。
(2025年11月9日 橋本いずみ)

