2025年12月14日 主日礼拝説教

《 あなたがたのために生まれた救い主 》

ルカによる福音書 2:1〜14

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは民全体に与えられる大きな喜びを告げる、今日、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ、主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(ルカ2:8-12)

羊飼いたちに、飼い葉桶に眠る救い主の誕生が知らされました。それは、羊飼いたちの喜びにとどまらず、民全体に、与えられる大きな喜びが告げられるためでした。

羊飼いたちは、当時の社会の中にあって、貧しく、軽蔑されていたといわれますが、「羊飼い(牧者)」は、指導者、王(マタイ2:6)であり、主の教会の職務の担い手(ヨハネ21:15-17)をさす言葉でもあるのです。

羊の所有者は、自分世話をすることもありましたし(創世記4:4、30:40)、子どもや親戚、僕に(創30:30、出3:1、サム上16:11、ルカ17:7)、人を雇って(創世記31:6、)、羊の世話をするということもあったようです。

ここに出てくる羊飼いが、どのような羊飼いであったかは、分かりませんが、彼らは、野宿をしていて、人々が働かないような時間に仕事中だったのです。

働かなければならない人たちという意味では、貧しかったのかもしれないですが、私たちの多くも家庭や社会において、何らかの仕事をしてきたもの、現在も仕事があり、これから社会において働く準備をしているものたちです。彼らは与えられた仕事の中で、大きな光に照らされて、天使を通して、神の救い計画を知るのです。

 羊飼いたちへのしるしは、「飼い葉桶の中に寝ている赤ちゃん」です。イエスさまだけが生まれたわけではないですから、どの赤ちゃんか分かりません。救い主が生まれたと言っても、本当かどうかわからないですから、天使は、特別なしるしを教えました。それが、「飼い葉桶の中に寝かせられている子」だったのです。彼らは探しに行って、見つけて、自分たちの救い主とであったのです。

羊飼いたちの救い主が、飼い葉桶に寝ている。羊飼いたちにとって、飼い葉桶は、身近なものであったでしょう。毎日、触れて、使っているものです。あなたがた、羊飼いたちにとって、ぴったりな救い主が、お生まれになった。

救い主は、私たちが触れることができないような遠いとところにやって来たんじゃなくて、毎日、触れて使っている、そういうところに来てくださる。そして、羊飼いたちは、本当に、救い主がおられたということを見つけ出したのです。そして、彼らは、ここにも神さ間がおられて、ここに救いがあるんだと喜んだ。

神さまは、羊飼いたちを民全体に良い知らせを伝えるために、羊飼いたちを選ばれました。羊飼いたちが、民全体に大きな喜びを告げるようになるのです。彼らは、賛美することによって、民全体に主イエス・キリストを宣べ伝えました。

《祈り》天の父なる神さま。あなたが救い主を与えてくださいました。あなたが、わたしたちの救い主としてイエス・キリストを与えてくださいました。私の今が、与えられている仕事が、そして、この人生に、神さまが注目してくださっていることを、教えられて感謝します。あなたを賛美しつつ、歩ませてください。今年のクリスマス多くの人たちがこの喜び知ることができますように。主の御名によって祈ります。アーメン。

(2025年12月14日アドヴェント第三主日 橋本いずみ)