《 信仰によって、エジプトを去る 》
信仰によって、モーセは王の怒りを恐れず、エジプトを立ち去りました。目に見えない方を見ているようにして、耐え忍んでいたからです。信仰によって、モーセは滅ぼす者が長子たちに手を下すことがないように、過越の食事をし、小羊の血を振りかけました。信仰によって、人々はまるで陸地を通るように紅海を渡りました。同じように渡ろうとしたエジプト人たちは、おぼれて死にました。
(ヘブライ11:23-26)
「信仰によって」と、三つのことが、今日の聖書には書いてありました。信仰によって、モーセは、エジプトを立ち去り、過越と小羊の血を振りかけることをし、陸地を通るように海を渡って行きました。
かつてイスラエルの人々は、エジプトを脱出しました。神の民イスラエルにとってエジプトの国は、奴隷の家でした(出エジプト20:2)。主なる神さまは、労働が課せられ、成果が求められて、苦しむ者たちの苦しみを見、叫びを聞き、痛みを知ってくださいました。出エジプトの際、モーセはエジプトの王ファラオと繰り返し交渉します。「主に犠牲を捧げさせてください」(3:18)「荒れ野でわたしのために祭りを行わせなさい」(5:1)「わたしに仕えさせよ」(4:22、7:16,25、8:16、9:1,13、10:3)と言っています。神さまは、彼らの苦しみを見たというだけでなく、自由に主に仕えさせるためにエジプトから去らせようとしたのです。そして、それは、イスラエルの人々だけでなく「エジプト人はわたし(神さま)が主であることを知るようになる」(14:18)ためでした。
エジプトには、富があり、目に見える繁栄がありましたが、モーセは、目に見えない神さまをひたすらに見つめることで、王の怒りを恐れることから自由にされて、イスラエルの人々の先頭に立って、エジプトを去りました。
二つ目は、信仰によって、過越と小羊の血を注ぐことをした(出エジプト12章)。小羊の血が、滅ぼす者(死の使い)が触れないように、人々を守りました。
三つ目は、信仰によって、海を渡りました。海には、巨力なエネルギーがあり、ときに予測できない災害や破滅をもたらすことがあります。神さまは天地創造の時に、水を分け、海と地を造られました。地には草木が芽生えます。モーセに率いられて人々は、海を乾いたところを歩くように渡りました。
神さまは、目には見えないけれども、確かに存在し、造られた一つ一つの命と共に歩もうとされていることを、イエスさまは示すためにこの世に来てくださり、命を献げてくださいました。
イエスさまは、金に執着する人々を前にして、金持ちとラザロ(ルカ16:14、19-31)の話をしました。
イエスさまは、「この杯は、あなたがたのために流されるわたしの血による新しい契約である」と言われました(ルカ22:20)。神の小羊であるイエスさまが、滅ぼす者が私たちに触れないように守ってくださいます。イエスさまの言葉に導かれて、大きな隔たりがあるところを渡っていくのです。
《祈り》
天と地を造られた神さま。あなたが私たちの苦しみを見て、叫びを聞き、イエスさまによって、あなたを喜び、あなたに仕え、人と共に生きる道を開いてくださいました。イエスさまが天と地を結び合わせてくださいました。イエスさまをひたすらに見つめつつ、おそれから自由にされて、御心の行われるために仕える者とならせてください。主の御名によって祈ります。アーメン。