2020年12月20日主日礼拝説教

《 わたしたちのために生まれた 》

イザヤ書   9:1〜6

闇の中を歩む民は、大いなる光を見

死の影の地に住む人の上に、光が輝いた。

あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり

人々は御前に喜び祝った。

刈り入れの時を祝うように、

戦利品を分け合って楽しむように。

彼らの軛、肩を打つ杖、虐げるものの鞭を

あなたはミディアンの日のように、折ってくださった。

地を踏み鳴らした兵士の靴

血にまみれた軍服はことごとく

火に投げ込まれ、焼き尽くされた。

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。

ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

権威が彼の肩にある。

その名は、「驚くべき指導者、力ある神

永遠の父、平和の君」と唱えられる。

ダビデの王座とその王国に権威は増し

平和は絶えることがない。

王国は正義と恵みの業によって

今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。

万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

(イザヤ書9:1-6)

クリスマスおめでとうございます。わたしたちの救いのためにひとりの男の子が生まれたことを記念し、思い起こすクリスマスがやって来ました。救いをもたらす王の誕生は、光の到来として描かれます。

死の影の地、死に覆われていて、陽の目をみなかったところに、光が照りかがやきます。

光の到来は、深い喜び、大きな楽しみとなります。その喜びは、ミディアンの日のような、喜びと楽しみです。

 ミディアンの日とは、ギデオンが士師として活躍したときのことです。(士師記6-8章)神の民が約束の地を与えられましたが、そこで満たされると主の目に悪とされることを行い、その土地の神を拝み始め

ました。すると、神は他国からの攻撃を許される。ミディアンは、容赦なく神の民の命の糧を根こそぎにしました。それゆえに、神の民は、助けを求めて叫びます。そして、預言者が送られ立てられたのがギデオンでした。ギデオンは、ごく少数の者たちとともに角笛と松明をもって戦います。敵は同士討ちとなり、ギデオン率いる神の民は勝利しました。

 光の到来は、ミディアンの日の喜びや楽しみに似たものです。種を蒔いたら収穫があり、命の糧を心配することはない。戦いによって得たものは、主を礼拝するものたちが特別な役割を与えられて身に付けるもの(エフォド)となる。

 わたしたちのために生まれた男の子イエス・キリストが、ミディアンの日のギデオンのごとく、わたしたちを救い出してくださいます。わたしたちの救いは、主の熱意によって成し遂げられました。これから起こる救いもまた、主の熱意によって成し遂げられます。陽の目を見ない者たちに、主の光が注がれます。

《祈り》天の父なる神さま。クリスマスを迎え、あなたの光の中にわたしたちを招いてくださり、ありがとうございます。死の影の地に住んでいるわたしたちに光を与えてくださいました。主イエス・キリストがわたしたちを苦しめものと戦ってくださることを信じ感謝します。キリストがおられるので、わたしたちは安心して与えられた務めにつき一生懸命働きます。あなたがそのことをもって、わたしたちを養ってくださいます。あなたが与えてくださる深い喜び、大きな楽しみを味わい、御前に喜ぶことができますように。主の御名によって祈ります。アーメン。

 (2020年12月20日 クリスマス礼拝 橋本いずみ)