2021年12月26日 主日礼拝説教

めたたえつつ帰る人たち 羊飼い》

ルカによる福音書 2:1~7

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐るな。わたしは民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなた方は、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」

天使たちが離れて天にさったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話した通りだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。(ルカ2:8-20)

マリアとヨセフは、皇帝の勅令によって、ナザレからベツレヘムへと旅しました。そして、ベツレヘムで神の独り子イエス・キリストはお生まれになりました。

その日、この誕生の知らせを聞いて、ベツレヘムへと向かったのは、羊飼いたちです。

彼らは、「その地方」にいました。ヨセフとマリアが、ガリラヤ地方からやってきたのに対し、羊飼いたちは、ユダヤのその地方にいたのです。その場所、ベツレヘムの近くにいたのです。

羊の群れの番をしていた羊飼いたちは、羊の安全と防護のために働いていました。彼らは、夜番でした。番をしている、それは、番人、牢の見張りをする時にも使われる言葉です。

夜間、誰かの安全と防護のためにはたらいている彼らは、救い主の誕生のすぐ近くにいる人たちだったのです。ごく近くにいた彼らは、天使の言葉に導かれて、ダビデの町ベツレヘムへ向かいます。

天使は、はっきりとその救いのしるしを告げています。そして、羊飼いたちは、天使が話したとおりの光景を目の当たりにし、そのことを詳細に人々に告げました。

今年度、西宮一麦教会では、「主は良い羊飼い」を年主題に掲げて、教会の歩みを進めています。羊飼いは、夜通し、羊の安全と防護のために働き続けています。イエスさまは、「わたしは彼らと一緒にいる間、あなたがたが与えてくださった御名によって彼らを守りました。わたしが保護したので滅びの子の他は、誰も滅びませんでした。聖書が実現するためです」(ヨハネによる福音書17:12)とおっしゃっています。

羊飼いたちは、この夜、闇の中で、守り続けてくださる「良い羊飼い」に出会ったのです。そして、彼らは、ベツレヘムからほめたたえつつ、帰って行きました。羊飼いたちには、闇の中で働き続けました。しかし、そこには、良い羊飼いが伴ってくださり、主への賛美がありました。賛美をささげながら、彼らは御国へと帰る道を歩き続けました。

《祈り》

クリスマスの主イエス・キリストの父なる神さま。闇の中で働く者たちに、救い主の誕生が知らされました。良い羊飼いとして、主が、今日もわたしたちを守り、平安を与えてくださること感謝します。主よ、まことの羊飼いである主をほめたたえつつ、わたしたちも誰かの平安のために、誰かを守るために働かせてください。主の御名によってお祈りします。アーメン。

(2021年12月26日 橋本いずみ)