《 栄光を与えてくださる方 》
ヨハネによる福音書 ８：４８〜５９
イエスはお答えになった。「わたしは悪霊に取りつかれてはいない。わたしは父を重んじているのに、あなたたちはわたしを重んじない。わたしは自分の栄光は求めていない。わたしの栄光を求め、裁きをなさる方がほかにおられる。はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことがない。」…イエスはお答えになった。「わたしが自分自身のために栄光を求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのは、わたしの父であって、あなたたちはこの方について、『我々の神だ』と言っている。あなたたちはその方を知らないが、わたしは知っている。わたしがその方を知らないと言えば、あなたたちと同じくわたしも偽り者になる。しかし、わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。あなたたちの父アブラハムはわたしの日を見るのを楽しみにしていた。そしてそれを見て、喜んだのである。」
（ヨハネ8：49-51,54-56）
「わたしは、わたしの栄光を求めない。わたしの栄光を求め、裁きをなさる方が ほかにおられる。…わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことはない。」「わたしがわたし自身のために栄光と求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのはわたしの父であって、…わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。」
神の御子イエス・キリストに与えられる栄光は、父なる神が求めておられ、父なる神がお与えになるものです。
ユダヤ人たちは、アブラハムを父とし、モーセの律法を用いて、自分を高め、自分の栄光を求めていました。
イエスさまは、自分の誉れを求めて、人々からの称賛を得るために、神の名を用いて奇跡を行ったのではありません。父なる神をすべてのものたちがほめたたえるために、父の言葉に従って、奇跡を行ってきました。イエスさまがなされること、語られることは、そのことによって、すべての人が神をほめたたえるようになるためです。
輝かしい勝利を与えてくださる日を目指して、父の言葉を守っていたのです。
アブラハムを父として、イエスさまを、必要とせず、敵対、反抗しているユダヤ人たちに「わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことはない」と語られます。
父なる神は、死に対する輝かしい勝利を期待し、御子イエス・キリストをお送りになりました。イエスさまが、父の言葉を守ったように、イエスさまの言葉を守る人たちは死ぬことがないと、約束されました。
「わたしたちの本国は、天にあります。そこから、主イエス・キリストが救い主として来られるのをわたしたちは待っています。キリストは、万物を支配下に置くことのできる力によって、わたしたちの卑しい体を、御自分の栄光ある体とおなし形に変えてくださるのです」（フィリピの信徒への手紙3：12-21）キリストが勝利者であり、わたしたちに賞を与えてくださいます。私たちの死に向かって生きる卑しい身体を御自分の栄光ある体と同じ形に変えてくださるのです。
アブラハムを父としている人たちに、「アブラハムもわたしの日を楽しみにしていた。そして、それを見て喜んだ」と告げています。神の祝福を受け、御言葉によって生き、そして死んだ人たちは、神の勝利を待っていましたし、御子イエス・キリストによる勝利を喜んでいます。わたしたちも、キリストによる勝利をほめたたえます。
《祈り》
天の父なる神さま。イエスさまが十字架にかかり、罪と死にうち勝ってくださいました。わたしたちは、天の国を目指して歩いて行きます。イエスさまの言葉を守り、目標を見失うことなく、あなたの与えてくださる栄光を目指して走ることができるようにしてください。主の御名によって祈ります。アーメン。
（2021年9月26日 橋本いずみ）