2022年5月22日 主日礼拝 説教

《 父なる神の命令は、永遠の命 

ヨハネによる福音書 12:44~50

イエスは叫んでこう言われた「わたしを信じるものは、わたしを信じるのではなく、わたしを遣わされた方を信じるのである。わたしを見るものは、わたしを遣わされた方を見るのである。わたしを信じる者が、だれも暗闇にとどまることのなりように、わたしは光として世に来た。わたしの言葉を聞いて、それを守らない者がいても、わたしはその者を裁かない。わたしは、世を裁くためではなく、世を救うために来たからである。わたしを拒み、わたしの言葉を受け入れないものに対しては、裁くものがある。わたしの語った言葉が、終わりの日にその者を裁く。なぜなら、わたしは自分勝手に語ったのではなく、わたしをお遣わしになった父が、わたしの言うべきこと、語るべきことをお命じになったからである。父の命令は永遠の命であることをわたしは知っている。だから、わたしが語ることは、父がわたしに命じられたままに語っているのである。」(ヨハネ12:44−50)

洗礼者ヨハネは、光であるイエス・キリストを証して「『わたしのあとから来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方である」と叫び(1:15)ました。「叫び」というのは、大きな声をあげることですが、ヨハネによる福音書では、鉤括弧で告げたことが明確に語られていますので、強く訴えること、皆に告げねばならないことだと言えると思います。(7:28,37)。

イエスさまは、大きな声で叫んでおられます(12:44)。この叫びは、イエスさまがこれまで語ってきたことのまとめのようなもので、これまで、人々の間でしるしをなさってきたイエスさまが語ったことは、どういうことであったのかを告げています。

イエスさまは、「わたしを遣わされた方-父」との一体性を告げてきました。イエスさまを信じるということは、イエス・キリストを遣わした方を信じることであり、イエスさまを見ることは、神を見ることであり、イエスさまを知ることは、神を知ることです。そして、イエスさまの言葉は神の言葉です。イエスさまが語ったすべての言葉は、遣わされた父の命令によるものです。

神がイエス・キリストに語るようにと命じてきたことは、永遠の命です。イエスさまが語っていることは、世界を創造し、神の民を用いて世界を救おうとされている神さまの語っていることです。神さまは、かつて「今、もしわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るならば、あなたたちはすべての民の間にあって、わたしの宝となる。世界は、すべてわたしのものである。」(出エジプト19:5)と語られ、モーセを通して律法を与えました。律法を通して、神を知り、永遠の命に与るしか道がなかったこの世界に、イエス・キリストを通して恵みと真理が現されました。(ヨハネ1:17)イエスさまがこの世に遣わされたのは、世を救うため、光を与えるため、永遠の命を与えるためです。永遠の命とは、唯一のまことの神と神が遣わされたイエス・キリストを知ることです(17:3)。

わたしたちは、今朝、永遠の命を与えられる主の叫びをともに聞きました。

《祈り》 世界の創造主にして、永遠の命を与えてくださる神さま。イエスさまの言葉を通して、あなたの言葉を聞きます。イエスさまを見て、あなたが生きて働いておられることを仰ぎ見ます。イエスさまの叫びを、わたしたちに向けられたあなたの言葉として聞き続けることができるようにしてください。主の御名によって祈ります。アーメン。

(2022年5月22日 橋本いずみ)