2022年7月17日主日礼拝説教

 互いに愛し合いなさい 

ヨハネによる福音書13:34〜35

あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。             (ヨハネ13:34-35)

 イエスさまは、「互いに愛し合いなさい」と一つの掟を与えました。イエス・キリストが栄光を受ける時が来て、イエスさまも弟子たちも心が騒ぐ中で(13:21、14:1)一つの掟を与えました。イエスさまが、父なる神さまから委託を受けて(10:18)、永遠の命(12:49,50)のために、世にあって、父の愛に留まり続けたように(15:10)弟子たちに一つの掟を与えました(13:34:14:15,21、15:10,12)。

これは、弟子たちの全生活領域に及び、すべてを新しくする戒めです。イエスさまを通して、神さまとの新しい関係になり、弟子たち同士の結びつきも新しくなりました。そして、イエスさまを捜すものたちを、新しい神の恵みの中へと招き入れることになります。

 「わたしがあなたがたを愛したように」と言われているように、イエスさまが愛したことが手本になり、掟を守ることによって、神さまと一層深く結び合わせられます。互いに愛し合うとことは、イエスさまの愛に基づいています。忍耐はイエスさまの赦しに、考えや行動の一致はイエスさまの言葉に、希望は、イエスさまの約束に基づいています。

 弟子たちは、イエスさまがおられなかったら、決して結び合わせられなかった人たちです。出身地も、年齢も、職業も異なり、政治的な立場も違う人たちでした。しかし、イエスさまが目に見える仕方では共におられなくなっても、主にあって彼らが共にあって、互い主の前に立つために祈り、語り、行って、一つとなって歩めるようにと、新しい掟を与えました。

 互いに愛し合うことは、隣人や敵を愛するとこととは、同じではありません。隣人や敵を愛するのは、愛してもらうということを含んでいません。ここで弟子たちに語られる新しい掟は、「互いに」です。弟子たちは、イエスさまの言葉によって、愛し、愛される関係の中に入れられたのです。そして、私たちの間にあっては、互いに祈り合うことが、互いに愛し合うことの第一歩かなと思います。

かつてイスラエルの民に律法が与えられて、彼らの特別な生き方によって、世界を祝福へと導こうと神さまが働かれたように、主は、この時代に、神が世を愛しておられることをはっきりと示すために、弟子たちを選ばれ、「互いに愛し合いなさい」と新しい掟をお与えになりました。「神は、その独り子をお与えになるほどに世を愛された。」(ヨハネ3:16)「イエスは、私たちのために命を捨ててくださいました。そのことによって私たちは愛を知りました。…子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう」(1ヨハネ3:16-18)

《祈り》天の父なる神さま、イエスさまがわたしたちを愛してくださり、その命をささげてくださいました。イエスさまが私たちの弁護者となって、父なる神さまに執り成してくださっていると信じます。主よ、主の言葉に従って、互いに愛し合うことを始めさせてください。言葉だけでなく、祈りと行いをもって、互いに愛し合うことができるようにしてください。そして、一層近く、主がともにいてくださることを知ることができますように。主の御名によって祈ります。アーメン。

(2022年7月17日 橋本いずみ)