2023年2月19日 主日礼拝説教

《 永遠の命とは 

ヨハネによる福音書 17:1〜5

イエスはこれらのことを話してから、天を仰いで言われた。「父よ、時が来ました。あなたの子があなたの栄光を表すようになるために、子に栄光を与えてください。あなたは子にすべての人を支配する権能をお与えになりました。そのために、子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。永遠の命とは、唯一まことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです。わたしは、行うようにとあなたが与えてくださった業を成し遂げて、地上であなたの栄光を現しました。父よ、今、御前でわたしに栄光を与えてください。世界が造られる前にわたしがみもとで持っていったあの栄光を。」(ヨハネ17:1−5)

主イエス・キリストは、すでに勝利し、栄光をお受けになったものとして(16:33)、弟子たちに語り終えた後、天を仰いで、父なる神さまに祈り始めました。17章の祈りは、「大祭司の祈り」と言われています。主イエスは、祭司のように、神との間に立って、この世に残していく弟子たちのために、執り成し祈ります。困窮して嘆願するのではなく、宣言し、感謝し、祝福し、父と子が一つであったように、彼らをその関係へと招き(11節)ます。そして、この祈りは、弟子たちへの祝福と聖化にとどまるのではなく、すべての人(2節)彼らの言葉によってわたしを信じる人々(20節)も、イエスさまを通して、父なる神さまを信じる聖なるものとなり、世が聖化されることを期待しています。

主は、自分自身で栄光を勝ち取ろうとするのではなく、むしろ、父が栄光を与えてくださるとの確信を持って祈られました。父なる神さまは、御子イエス・キリストを信じるすべての人に永遠の命を与えるため、御子を世に遣わされました(3:16)。父なる神さまが、イエスさまに託したことは、信じるものたちに永遠の命を

与え、主に従う人によって神の栄光を現すことです。イエスさまは、ご自身がなさる業によって、弟子たちが神との一体生の中に招かれて、人々も信じるものとなり、栄光があらわされるように祈り求めます。

律法学者は、「何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか」(ルカ10:25)と尋ねることがありましたが、永遠の命は、霊魂の不滅や地上の命の延長ではありません。イエスさまがお与えになる永遠の命とは、唯一の真の神である父なる神と、遣わされた主イエス・キリストを知ることです。イエスさまは、この世の人々に、神を認識する開かれた眼をお与えになりました。永遠の命を与えることは、真実で唯一の神に対する認識を与えることであり、それが、イエスさまのこの世での使命でした。人であるイエスが、神から遣わされたキリスト(救い主)であると知ることによって、わたしたちは生きた神さまとの交わりに入るのです。

《祈り》 

天の父なる神さま。栄光の主が、父なる神さまとの交わりへとわたしたちを招き入れてくださったことに感謝します。この世界はやがて終わりを迎えますが、主の言葉は、とこしえに変わることなく、主の望むことを成し遂げ、必ずその使命を果たします。父なる神さまと御子イエス・キリストを、わたしたちにもっとはっきりと示してください。主が父なる神さまとの豊かな交わりの中でいきたように、どうかあなたとの交わりの中で、この世を歩ませてください。主の御名によって祈ります。アーメン。

(2023/2/19 橋本いずみ)