神が備えてくださる 使徒言行録16章1-6
新しい年が始まり、私たちは様々な計画を立てますが、なかなか思い通りにはならず、行き詰まりと挫折が多いのではないでしょうか。箴言16章9節にはこのように記されています。「人間の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩備えてくださる」。それは、私の計画だけが為されるのではなく、神が成し遂げようとしている御業があるということです。
本日の箇所は、福音が初めてヨーロッパに伝えられ大きな発展を遂げた事が記されています。それは人間の計画通りではなく、むしろ頓挫してしまった計画を通して大きな展開を成し遂げたことが記されています。伝道者として有名なパウロは、3回の世界伝道旅行で多くの教会を立て上げ、新約聖書の大部分の手紙を書いた文字通りの大伝道者です。その彼の2回目の伝道旅行の時の話です。福音宣教を願って進んできたパウロたちは、神の鮮やかな導きを経験する事になったのです。
パウロが二人の弟子達と一緒に、ローマ帝国のアジア州伝道旅行を進めていましたが、トルコ半島の真ん中さしかかった時、「御言葉を語ることを聖霊から禁じられ」とあります。その理由はよく分かりませんが、聖書では聖霊が禁じたと記されています。そこでやむなく北上して絶好の伝道地でビディニア州に入ろうとしましたが、またもやそこでも「イエスの霊がそれを許さなかった」と記されています。御言葉を語ること、伝道のために、つまり神が喜ばれる善いことであっても、それが、「神の御心」だとは簡単に言えないという事です。しかし、その事により所謂、「マケドニアの叫び」を聞く事になり、ヨーロッパ伝道の道が拓かれていったのです。神には神のご計画があるということです。
そうして、パウロたちはエーゲ海に面したトロアスの港に到着しました(8節)。とあります。そこで一人のマケドニア人が現れ「マケドニア州に渡ってきて、わたしたちを助けてください」と、そのことにより、福音はそこで何世紀も伝えられ16世紀の宗教改革を経て、アメリカ大陸に渡り、そこから19世紀の伝道の大世紀に「地の果て」と言われる日本にまで伝わることになりました。エフェソやニコメデイアへ行けなかったこと等、パウロが計画を二度も変更せざるを得ませんでした。しかし、そのことは全てはヨーロッパ伝道を、ひいては世界伝道を成功させるための、神の壮大なご計画であったことを知ることになりました。私たちが祈り計画した事でもそれが止められる事が起こります。
つまり、私たちの人生は、私の思いではなく、神の導きの中に置かれているということで、人間の思いが全てではないということ、神のご計画が成し遂げられということが、本日の御言葉に示されているといえます。2026年の教会の歩みの上には既に計画があると思います。また、個人的な計画もあると思います。まだ新しい年が始まったばかりですが、今年の12月にはどのような思いで迎えることでしょうか。直面した課題はまだ続いているかもしれません。自分が思うような、満足な歩みができたかたかということではなく、信仰のまなざしをもって、現実を受け止めてゆくことができるのが信仰者であるといえます。聖書が見つめているのは、この世界の厳しい現実です。イエス様を十字架につけるという罪の現実であるといえます。しかしその時にも、神を信頼して従っていったとき、神が備えてくださることがあること、神の御業は必ずなされていくことを心に留めながら歩み続ける2026年でありたいものです。 2026年1月18日 佐々木良子牧師

